【初心者買物】2015/01 2つ目の登山靴 スカルパ ミトス MF GTX
モンベルで登山靴の衝動買いをしてから3年が経とうとしていた。
モンベルの登山靴としては低価格帯(12,000円くらい)のものだった。3年といっても、頻繁に履いたのはここ1年(2014年)であり、靴もだいぶくたびれ、靴底も減ってきた。そして、靴の中で足が横にずれる悩みも発生していた。
これは登山靴に限った事ではなく、普通の靴でも合う靴がないという悩みも顕著になっていた。
そんな時「足の幅が狭い」というキーワードに出会った。「日本人は幅広甲高である」と当たり前のように言われていた。その中で「幅が狭い悩み」という存在がある事を知った。そして幅が狭い人は一様に「自分の足は幅広だ。もっと幅広の靴を探さなければ」と思い込んでいる事である。
「幅が狭い」事で発生する現象。
その1.靴の中で足が前に滑り、つま先が靴に当たり痛い。
その2. 駅の階段を登る時に靴が脱げちゃう。これは、その1と関連しているが靴の中で足が前に滑り、かかとがぶかぶかである事が原因である。
そして思い切って足のサイズを計測する専門の職人さんの所で足の計測をしてもらった。ここが予約が取れない有名なところである。
結果左右とも足幅 Aである。
靴の宣伝で良く目にする「EEE」とか 「EEEEE」というサイズを目にするが、どれだけ違うのか。
A→B→C→D→E→EE→EEE→EEEE→EEEEE
ブカブカな筈だと思わずにいられない。
足の計測でいい所は、普通の靴でどのメーカーのどの靴のこのサイズが合うという事をリストアップしてもらえる点である。
普通の靴も新調したが、やはり最も新調したいのが登山靴である。
そして、その頃どうしても欲しい登山靴が目の前にちらついていた。その靴がスカルパ ミトス MF GTX である。果たして私の足に合うのだろうか、という事が気になっていた。
試し履きしたい。
そういう欲求が出て来た。
今まで、敷居が高すぎて登山ショップに行く勇気がなかった私である。まさに清水の舞台から飛び降りるくらい勇気を振り絞ってモンベルじゃない登山ショップを尋ねてみた。
猪突猛進的に靴売り場の前に行った。
色々な靴が並び過ぎて目が白黒した。
やがて売り場はメンズとレディースに分かれており、レディースの中でもハイキングからガチ登山の順番に靴が並んでいるようだった。だいたい値段もそのように順番に並んでいるようであった。
スカルパ ミトス MF GTX を見つけた。
幸いお店は空いていて、ベテランそうで優しい微笑みの紳士な店員さんがそばにいた。
「靴をお探しですか?」と声をかけてもらった。一瞬ドギマギする。「この靴が合うかどうか履いてみたいです」と言ってみた。
店員さんは椅子にかけるように言い、靴下を貸してくれ、丁寧に靴を履かせてくれる。
普通に「靴を履かせてもらう」体験って そうそう無いものなのでは、と、その時は思った。ヤバイ!シンデレラな気分ってこれ??
靴を履かせながら微笑みの紳士な店員さんは話かけてくれた。
「よく行く山はどこですか」
「奥多摩方面です」
「日帰りですか?」
「日帰りしか行かなくて」と世間話をする。
すると微笑みの紳士な店員さんは言う。
「山はね、泊まってみてもらいたいなぁ。ツバクロとかね、とってもいいから。」
「山に泊まる?」それは今までの私には無かった考えであった。
そして 「ツバクロって何だろう」と心に残った事は確かだった。
やがて、私の足を包み込むようなスカルパ ミトス MF GTXの存在感を感じた。「足が包まれる」感覚はもはや快感と同じである。嬉しくて嬉しくて涙ぐみそうになった。
微笑みの紳士な店員さんは更に追加する。
「よかったらインソールも入れませんか?歩きやすくなりますよ。」と。
かねてよりインソールにも興味があったので、「是非!」といろいろ合わせてもらう。
靴は軽く、身体の一部のようで、履いている感がないくらいフィットしていた。
何よりかかとがぴったり合う事が快感。
二足目の靴を手に入れ、幸せな2015年が始まった。
モンベルの靴より価格は2倍であるが、それでも登山靴の中ではまだまだ買いやすい価格である事を知る。
レジにてショップの会員カードを作る。
そして「ガスバーナーの使い方講習会があるんですけれど、出ませんか?」とレジのお姉さんが声をかけてくれた。
「出ます」
めくるめく2015年の始まりである。
補足
今までのモンベルの靴と並べてみたら、かかとの幅が随分違うように見える。