一歩一歩を大切に

山は人生を変えるのか?を知りたくて山に行く!

【初級者登山】2015/04 外秩父七峰縦走 ロングコースを経験しよう

さて「いつか行こう1泊で雲取山」プロジェクトは私の心の中で静かにスタートしていた。

 

ステップ1:  標高差1000mを経験しよう

ステップ2:   20km以上のロングコースを経験しよう

 

このうち、ステップ1は一応六ツ石山で体験してみた。そして次のステップ2のロングコースを経験するにはどうしたらいいかを考えた。

そんな時にあるイベントが楽しそうで気になっていた。東武鉄道が毎年実施しているらしい「外秩父七峰縦走」というスタートから低山7個を歩きゴールまで42.195kmを歩き通すというトレッキングイベントである。

人数制限があるとの事で事前申込が必要である。

42.195kmなんて歩けるのか?平地ですら歩いた事が無い距離。不安が募るが、途中リタイア出来るポイントが何ヶ所かあり、そこから下山すると、東武バスが循環してスタートした駅までバスに乗れるという素晴らしいシステムが用意されていた。

 

1)東武鉄道 小川駅 受付

早朝に家を出る。

最寄りの駅の始発は5:15であるが、隣の駅の始発は4時台である為、1駅歩いて電車に乗る。

池袋で東武東上線に乗り換え。ハイキングイベント用の快速電車が出ている。6時前くらいの時間であるが、激混みである。やる気が出てくる。小川駅着で受付に並びスタンプカードをもらう。

 

2)石尊山ー官ノ倉山

小川駅から歩き出す。登山道に入るまでがとても長い。とてもたくさんの人が歩いている。

登山道に入った途端、なかなかの渋滞。鎖場があるエリアだ。鎖を使うほどの傾斜ではないと聞いてはいたが、鎖場経験の少ない自分にとっては、鎖がないとちょっと急かなという感じである。何十人と連なって行くと、なんとなく通れてしまうものだという事を実感する。急な下りも団子で降りれば怖くない。

f:id:myownlifetamako:20181225191707j:image

一旦下山する感じで車道に出る。

春の田園地帯を歩くのは、ピンクや黄色の花があちこちの畑の脇にぽっと咲いてるのを眺めるなどゆったりした気持ちになれる。

が、既になんだか疲れているのか、いつもの悩みの呼吸ゼーゼーが始まってきた。前にも書いたが、この呼吸ゼーゼーはどうやら他人の目には相当怪しく見えるようである。誰もが必ず心臓や肺の病気ではないかと疑って声をかけてくる。そういえば先日同行したスタイリッシュ女子にも「一回病院に行った方がいいのでは?」と言われ、その後何度も「病院に行ったかどうか」の確認メールが来たくらいだ。が、こちらから言えばそんなの病院になんて言えばいいのかわからない。この上なく健康なのに。

呼吸がうまく出来ない。そもそも私はどうも自分の身体を上手く使う事が出来ないのであった。上手く使うには、ある程度の知識と訓練が必要であるという事には気付いていた。まさに勉強や仕事と同じである。ただ身体については、どうしたらいいのか、まだわからない。よく登山では「吐く息に集中して。そうすると自然に新しい空気が肺に入ってくる」というアドバイスがあるが、吐く事は出来ても「どう吸えばいいのか」の答えはなかなか見つからない。この答えの一部が見つかるのは、ここからさらに3年半も先になるとは思わなかった。普通に山に登れる人は誰からも教えて貰わなくても本能で吸い方を知っている。しかしそれは無意識での事であり、吸えない人が何故吸えないのかが理解出来ないものなのだ。それ故に、当たり前すぎて説明する事も出来ないのである。私はずっとずっとその「みんなが無意識に出来る当たり前の事」を探し続けている。

状況としては吐く息に集中して呼吸しても、私の身体は酸欠状態だったのである。

 

3)和紙の里ー笠山

車道から和紙の里へ。いろいろな食べ物が売っている。ここで休憩している参加者も多い。和紙の里なかなか素敵。いつかゆっくり来てみたい場所だなと思った。

私も何か食べなきゃと思いつつ、食欲が出なかった為、先に進む事にした。笠山への登りに入る。なんだか、少し登ると呼吸ゼーゼーという情け無い状態が続く。

やがて休憩可能な広場に到着。トイレもある。そして地元の方が臨時屋台でハイカーをもてなしてくれる。豚汁一杯100円が暖かく美味しい。椅子もたくさん出していただいているので座って持ってきたパンを豚汁とともに食べた。一息やっとつけた気分である。梅干しとか漬物とかも売っていた。後から思えば買っておけば良かったと思うものであった。

やっと笠山のチェックポイントに到着し、笠山から下山。一旦、車道に出る。たくさんの人が楽しそうに休憩を取っている。ヒーヒーな私は気持ちがいっぱいいっぱいであった。目の前に堂平山へ上がる登山道が見えていた。

悔しいけれどこれ以上は今の私には無理だ。

リタイアの決心をする。

バス停へ下山する事にした。体力が無い事が悔しい。呼吸が上手く出来ない事が悔しい。複雑な気持ちを抱えながら白石バス停へ。下山の道はなかなか歩きづらく、そして1時間くらいかかる。

リタイアのスタンプを貰う。(2015年では、翌年続きから歩ける制度になっていた)

距離にして19kmとのことだった。

このハイキングイベントでは半分も行けなかったけれど、自分としてはこの距離は褒めてあげたいくらいの長距離であった。でも気持ちは複雑である。

 

ただ思うのは、いつかゴールの風景を見てみたい。

 

山が好きになり、登山にどんどん行きたいのに身体が気持ちに追いつかない。切ない。だけどいつか絶対克服したい。