一歩一歩を大切に

山は人生を変えるのか?を知りたくて山に行く!

【北アルプス】2015/09 北アルプス初級者が頑張って行く立山三山!(1)

(1)-1 はじめに

 

北アルプスという地に引き込まれるように好きになっていく。

好きになるのに理由はないのかもしれない。

気付いたら落ちていて好きで好きでたまらない。逢いたくて逢いたくてたまらない。北アルプスはもちろん上級の山である。体力も技術も貧しい私などが、そうそう登れる所ではない。それでも自分の行けそうな所を探して行ってみたいという気持ちが溢れてくる。

 

2015年9月もう北アルプスは雪が降るのであろうか?雪が降ったら来年夏まで北アルプスには行けないだろう。待つ時間が長すぎる。だから余計に行きたくなる。

 

いろいろ調べると北アルプスの中では初級とされる立山が目についた。岩の道は苦手であるにも関わらず、見つけた写真の荒涼感というか、どこかの惑星的な風景というか、実物を見たいのである。

泊まる山小屋を検討すると、2015年のシルバーウィーク連休で大混雑らしく予約受付を終了していたが、休日ー平日の時に空きがあった。予約。平日1日有給を取ることにした。

そういう空いている日に合うような登山バスは無く、普通の夜行バスで富山駅に行き、立山黒部アルペンルートに乗り換える計画にした。

だが富山駅行きのバスは満席だらけで、検索を駆使してやっと探し当てたのが新宿のバスロータリーから出発する富山駅行きである。

 

(1)-2 出発

新宿駅から出発。バス2台だ。

登山向けではないから普通の人しかいない。途中で気分悪くなった乗客がいたが、滞りなく富山駅に着いた。先月に続き2度目の富山駅となると、親しみが湧いてきた。

地鉄富山駅から立山駅行きの電車が出ようとしていた。何人かの登山客が乗りに行っていた。

私は、立山黒部アルペンルートの往復チケットを買いたくて窓口が開くのを待つことにして、一本電車を見送った。

窓口がやがて開く。外人旅行客もチケットに並ぶ。驚いたのはチケット売り場員さんの英語の流暢さ。やはり現場で必要だから英語が話せるってすごいと思う。いつか必要になるために英会話教室に行ったりTOEICの点数を言うだけの人とはわけが違うと実感する。習うより慣れろってこう言う事なのかな。

 

やがて地鉄富山駅を電車は出発する。のんびりローカル電車だ。先月休憩した有峰口駅も停車した。懐かしい感じに襲われる。

小1時間で立山駅着。立山駅はまだまだ山じゃないようだ。乗客の流れに乗って、ケーブルカーに乗る。ケーブルカーからも高山という感じはまだまだであるが、確実に山深い方向に進んでいる。

美女平駅に到着。バスに乗り換える。立山黒部アルペンルートは乗り越えが多いが、一つ一つに乗りかえるたびに山深い地に行ける事がワクワクした。

 

バスは立山杉の森を抜け、弥陀ヶ原を通り、大日岳・奥大日岳を眺めながら、やがて室堂に到着である。

このバス路線の景色は圧巻である。初めて見る景色に私は驚きっぱなしであった。

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9月。室堂は黄金に輝いているように見えた。

いよいよ登山スタートである。

 

続く

 

 

 

 

【北アルプス】2015/08 折立登山口へ行ってみたい(3)

雨と白いガスに包まれながら太郎平小屋に到着した。

ここに来れただけでも相当嬉しい。北アルプス初心者だからね。

受付をした。大事に持ってきた登山届も出した。「明日は?」と聞かれて「明日はもうおります〜」というと「えー勿体無いよ。是非薬師岳行って下さい!」とおススメされ「はい」と答える。小屋の方は登山届のコースのところに丁寧に「薬師岳」と追記してくれた。

自分の布団に案内してもらう。靴はここにおく、トイレはこちら、水道の水は飲めます、夕食と朝食の時間。

自分の布団の場所を把握したら、濡れたものを乾燥室に持っていく。干す場所が見つからないくらいぎっしりだ。この雨の中、登山客がいっぱいなんだな。

何人か眠れる布団エリアの壁側に。反対の壁側にも1人旅の女性。お休み中のようである。ザックが大きい。私も肌寒いので布団にくるまって夕食の時間を待つ。

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夕食の時間になり食堂へ。小屋のどこにいたんだろうと思うくらいたくさんの人が並んでいる。

ご飯が美味しい。おかずは鶏肉の大きなフライだ。野菜のおかずも程よくあり、魚の昆布締めも添えられ、それはそれは美味しいかった。山とはいえ、魚王国富山県だ。

手作り風な箸置きも可愛いな。

私は1人で黙々とご飯を食べている。周りの登山客はワイワイとお話しをしている。ふと静かさが途切れた一瞬、ハスキーな女性の声で

「あーウラギンね」という会話が聞こえた。

カッコいい!裏銀座をウラギンとか言ってみたいよ、まったくもう!

まだまだ私には学ぶ事がある。

食後、下駄箱の前を通る。私の登山靴が頼りなげに見える。自分では随分奮発して買ったつもりのトレッキングシューズであった。だが、並んでいる靴を見比べると太郎平小屋から更に先の山に行くにはもっと本格的な登山靴が必要なんだ、と肌で感じる。よし!来年こそは!私ももっと奥深く山に触れてみたい!靴、靴、靴!

 

夜は疲れも手伝って爆睡だ。19時に寝るって、すっごい非日常でありながら、身体が休まる。

 

激しい雨の音で目が覚めた。

もうすぐ朝食の時間である。

朝ごはんをおかわり2杯。食欲絶好調であるが、やはり本日はこのまま降りようと決めた。

薬師岳はまた今度、もうちょっと勉強してからだ。

同じスペースを共にした隣人が話しかけてくれた。

「どこまで行くんですか?」

「雨が強くなったので降ります。本日はどちらまで?」と聞くと

薬師岳を通ってスゴ乗越まで。でも危なさそうだったら薬師岳山荘で停滞かな。室堂まで縦走したいんで。」もの静かなトーンで淡々と話すタイプの方だ。すごく素敵な人だった。そうか、そっちにも行けるんだ。道は色々繋がっているんだ。

室堂。まだ行った事がないな。どんなところだろう?

 

支度をして、山小屋に礼を言い、外に出た。

小屋前で一旦あたりの風景を見回す。色々な方向に矢印がある標柱が目にとまる。

すごい!太郎平はあちらこちらに行くスタート地点なのだ。想像しただけで夢が広がる。

ところで「雲ノ平」って素敵な地名。

どこだろう?

そして「雲ノ平」という名前はしっかり私の心にインプットされた。

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太郎平小屋を出たしょっぱなの木道。水の流れがすごい。木道が沈んでいた。

ゆっくりっくり歩く。幸い風はさほど強くないので元気に歩ける。登山道を流れる水が渓流のようだ。2日間、一部の風景しか見えなかったが、感覚的には「私の好きな風景!」と心踊る。是非晴れた太郎平にも来てみたいと心に誓う。
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樹林帯に入る。下りは息が上がらなくて嬉しい。るんるん下る。

やがて折立登山口に戻ってきた。折立登山口には飲み物自販機がある。たった2日間山で過ごしただけで、「自販機!文明だ!」と思える。

そして、山から降りると飲みたくなるコーラがあるのだ。炭酸一気飲み。はー気持ちいい。

折立ヒュッテ内のスペースで雨具を脱いだり、ザックの再パッキングをする。

予約してある富山駅行きのバスまでまだ2時間ほどあるので、ゆっくりくつろぐ事にする。

川のような登山道をおりても、登山靴内に水が入る事は一切なかった。すごいぞスカルパミトス MF GTX!トレッキングシューズだけど、さすがである。

すると程なく女性2人がヒュッテ内に入ってきた。昨日会った、爽やかにスイスイ登るテント泊女子と初対面のテント泊可愛め女子である。テント場は水の流れが多く、テント下が川みたいになってたので撤収したとのこと。可愛め女子は新穂高まで行くつもりだったのに、雨がやみそうもなく下山。富山から帰るとのこと。すると大学生ワンゲル部団体様も雨で二日間粘ったけど晴れそうもないので、薬師岳諦めて下山だそうで。

雨は雨なりにみんなおしゃべりになり、意外と楽しいなと思った。

大学生ワンゲル部団体はタクシーをチャーターしていた。タクシー社員が「あと3人のれるよ。みんなで割ると安くなるよ。」と嬉しいお声かけ。私は帰りのバスチケットを購入していたが、時は金なりと思い、タクシーに便乗させてもらう事にした。

タクシー内の最後列に女子3人並ぶ(私も一応女子としてカウントする)。爽やか女子が「今まで驚いたトイレベスト3!」を話し出す。ベストかどうかは何とも言えないが。まだ私は山小屋に詳しくなかった事もあり覚えられなかったが、「手作り和式便器」の話は衝撃だった。それはトタンで出来ており、ちょっとしか出ないのに音が大反響して凄いからたくさんした気になるという話である。大爆笑である。OL登山者達の話に大学生はどう思うだろうと心配になったが、皆眠っていた。もしかしたら寝たふりで聞こえないようにしていたのかもしれない。気を使わせちゃったかな。

富山駅で皆様とお別れし、北陸新幹線へ。初めてだ。指定席も取れたので、ますの寿司弁当と黒部のお茶的なものを買って乗り込む。2時間ちょっとで上野到着。北陸がこんなに近いとは!!!これは頻繁に行っちゃうかもね。

 

折立に行ってみたいという気持ちで行って見たけど、なんだかとてもお気に入りの場所になった。またここから登山スタートしたい。

小さな出来事一つ一つが、私をもっと深く登山の世界に引き込んで行く。

そんな満足感に包まれながら、無事帰宅。

ああ楽しかった。

【北アルプス】2015/08 折立登山口に行ってみたい(2)

今回はどこかの山頂に行くということではなく、折立登山口から登ってみたいという個人的欲望だった。やはり登山=登頂なのだろうか?

登頂はその現場でかなり嬉しい出来事になる。だが、帰ってきてあとあと思い出すのは何故か途中で見た風景だったり花だったり、あるいは石だったり地形だったりする。

 

毎日あるぺん号 室堂行き に乗車。

2度目の毎日あるぺん号。ぐっすり眠れた。

明け方目を覚ますと高速道路の右手側に海が見えていた。

日本海!随分遠くまできた。

こんな遠出は久し振りだ。

今まで子育てやら、ネコの面倒やら、仕事やらを口実に出歩く事はしなかった。出不精だった。出歩きたくない、旅行も行きたくない 派だった。非日常なイベントが大嫌いだった。それが今では非日常を求めている。

山のおかげで、「出かけよう」という意思を持ち、それを行動に移せるようになった。ああ、私、少し変わってきたかも、と感じるのがやや嬉しい。

あるぺん号が右折するとまもなく「有峰口です」というお知らせがアナウンスされた。

下車したのは8人くらいだろうか。

バスを下りるとタクシーが二台来ていた。予約していたと思われる2人がさっと乗って出て行った。そして別の2人組もタクシー予約のようで、突然「タクシー乗って行きませんか?」と言われる。折立に行くにはこんな手があったのか!と思いつつ、バスも予約してチケットも購入済みで結構なお値段だったのと、そこまで急ぐ必要もなかったので、「バス予約しちゃったので」とお断りしてしまった。だが、本心は「タクシーで行きたい」であった。

その理由は、次のバスまで2時間以上待たなければならないからだ。

注:2016年は待ち時間が1時間程度短縮され、2017年以降はなんと東京から直通バスが出るようになった!

 

有峰口駅前バス停。

コンビニなし。

ベンチなし。いったいどうしたらよいのか?

駅はあるのか?

私と同じく次のバス待ちの人達がある方向へ歩いて行く。ついて行く。有峰口駅だ!

無人駅の古びたレトロな駅舎の待合室で時間を過ごす事になった。

トイレあり。古くてちょっと怖い。

注:2018年時点ではトイレのみ綺麗になっていた!

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この時はまだお天気良し。

 

やがてバスの時間が近くなる。

有峰口駅からバス停までは数分かかるため、ちょっと早めに駅を後にする。

バス停。雨が降ってきた!

バス乗車。既にたくさんの人が乗っている。

予約しておいてよかった。

そこから折立まで小1時間バスにゆられる。

折立到着。雨。

バスから降りて登山客は皆折立ヒュッテ内に走り込む。私もついていった。

扉を開けた場所が休憩スペース。そこでみんなガサガサと雨具を取り出して着込み始める。私もガサガサ着る。

雨か〜。ちょっと萎える。

今までも雨でも登山してきたから、それほどの辟易感はない。やっぱり今までの一つ一つが少しずつ経験になってきてるかなと思えた。

 

出発。

すぐのところに愛知大の遭難慰霊碑がある。

若い人の命を思うといたたまれない。最後の1人が見つかるまで親御さん達は探し続けたそうだ。私も今は大学生の親。痛いほどわかる。

安全を祈願して先に進む。

雨具の登山は暑い。

我慢出来ないほど暑い。

 

ちょうどあられちゃんのところにつき、休憩。そして雨具を脱ぎ軽いジャケットに着替えた。

雨も僅かな霧雨程度になっていた。f:id:myownlifetamako:20190703064218j:image

樹林帯の中の道は結構急だったりと歩くのに苦難する。相変わらずヒーヒー言いながら、立ち休憩をしつつ先へ進む。後ろから爽やかなテント装備女子が上がってきた。「こんにちはー。晴れるといいですねー。」と爽やかに声をかけてくれ、あっという間に見えなくなった。

ああーあんな風に爽やかに登りたいよ、私も。

やがてベンチ。誰もいない。

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先へ急ごう。

この先一回樹林帯を抜けるとどうやら森林限界を超えるようで、高木が無い草原を行く道が続く。

雨ほぼなし。自分より低い位置からもくもくと雲が湧き上がってくる。こんなに近くで雲を見られるなんて。嬉しくてニコっとしてしまう。
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なんとなく紅葉しているように見える草。

8月末はもう山の秋だろうか。
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ヒーヒーである。石畳の道ってなんだか苦手かも。けれど、見た事も無い風景の広がる道を歩いて行ける事が楽しい。高度はだんだん上がってくる。

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ハイマツ地帯に突入。あたりの白さが濃くなってくる。風も強くなってきた。ハイマツの枝がわさわさ揺れている。
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ライチョウいるかな?まったく気配なし。

黒い大きめの鳥が目の前をかすめるように飛び去った。驚いたが、しかと見た。

ホシガラスだ!
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やがてまたベンチ。行動食をいっぱい食べる。

鱒の寿司を食べている人を見かけた事もあり、鱒の寿司について考える。あれはやはり保存食だから山に向いているんじゃないかなと。
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太郎平まであと2km。先に進もう。

あたりの白さが増してくる。
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どこまで歩けばいいのだろう?

太郎平小屋はまだかな?そうそう、このコースで登山届を出す場所が太郎平小屋だ。

太郎平小屋に到着しないと登山届を出せないという。何気に過酷だ。
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時々人が見えたりする。が、白いガスに包まれてまた見えなくなる。私が誰かに追いつくほど早くは歩けないのに、前方に人がいる。本当に人かな?とか不思議に思ったりした。
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さらに白いガスがもっと濃くなり、前後左右視界が効かない。白い世界をとぼとぼ歩く。

もちろん周りに人の気配なし。

突然、斜め右前方の白いガスの中で黒っぽい壁がにゅ〜っと浮き上がってきた。

太郎平小屋に到着したのだ。

もうちょっと離れた場所に建っていたら気付かなかったかも!

ああ、よかった。

 

続く

 

 

 

【北アルプス】2015/08 折立登山口に行ってみたい(1)

燕岳から帰宅した直後から、全身激しい筋肉痛でのたうちまわる。

プロジェクト休暇1週間のうち後半をゴロゴロして過ごす羽目になった。

山の知り合いスタイリッシュ女子からたまにメールなどくる。たいてい「***行きませんか?」というようなイベント系へ行くお誘いであるが、なんとなく断る。そういうやりとりで登山用品ショップには山に行くツアーなるものがあると知る。1人になれるから楽しい山歩きなのに、なぜ集まって行くのか理解できなかった。そもそも普通の旅行でもツアーというものを経験した事がない。スタイリッシュ女子とのやりとりで「ガイドのWさんいいよね」という話が発端となり、Wさんについて調べ始める。

1ヶ月後に「北アルプス 薬師岳1泊2日 集合 折立登山口」というのがある。へー登山口集合なんだ。だけど、それってどこ?

調べます。とことん調べます。調べるの趣味ですから。

富山県? 有峰湖方面?

少しずつ場所がわかってくる。なんだか記憶にあるのは有峰湖。大断層が走ってるところだったかな?その大断層を常時観測してる研究施設があって、そこに大学授業で見学に行った記憶があるが、定かではない。勉強熱心でない事がバレバレである。

まず「公共交通機関がない」という事がわかり愕然とする。

でも、季節運行の登山バスが富山駅から折立登山口まで出ている事に辿りつく!

バスの運行日時を調べ予約サイトを確認。

なんとー!満席!!!!

すごい!人気路線なんだ!残念、行けない。

あれ?ツアーとか行かないと言いつつ、ツアー前提でバス時間調べてた?

そして世の中に「登山のガイド」という職業がある事を初めて知る!!!スタイリッシュ女子の言う「ガイドさん」ってそういう意味だったのか!いろいろ目から鱗である。

山の世界は広くて深い。

そうか、山で見かける団体は決して「同窓会」とか「仲良しグループ」とかの登山ではなくて、登山ガイド(もしくは山岳ガイド)さんと共に登山するツアーなのだと理解した。

おそらく私にはツアーは無理だ。体力ないし、息が上がる悩みはまだまだ継続中で、ついて行けないだろう。こういうツアーでついて行けない時はどうなるのだろう?「私の事は忘れて下さい」とドロップアウトしたくなるだろう。でもそういうのは許されないだろう。そう思うとツアーとは何か?勝手な妄想としては極限まで追い詰められて、全身ぼろぼろになって、「私が悪うございました、もう二度とご迷惑をおかけしません!もうツアーに申し込むようなマネは致しません!」と泣いて土下座する事になり、人間失格のレッテルをべったり貼られるのだろうか?(あくまでこの時点での私の勝手なネガティブ妄想炸裂)

だめだ、やめておこう。

 

その後たまたま目にした雑誌のテーマが「1泊2日で行く北アルプス」だった。山の雑誌を今までほぼ読んでこなかった。遠い世界の山(北アルプスとか)の情報は以前は全く必要なかったし、興味もなかったからである。そういう雑誌が突然身近になってきた。雑誌を購入し貪るように読んでみた。折立登山口から薬師岳の写真がのっていた。青空を背景に白っぽい石がゴロゴロした風景である。いつか薬師岳に行ってみたい。そう思うようになった。ただ、それはまだ先だ。でもこの時から「折立登山口」へ行ってみたくてたまらない衝動にかられる。

 

折立へ行く方法調べを絶賛続行中である。

毎日あるぺん号で竹橋乗車ー有峰口駅前バス停で下車。

有峰口駅前バス停から

富山駅発折立登山口行きバスに乗る!

 

これだ!これで行こう!

だけど折立登山口からどこへ行く?

いや山頂じゃなくてもいい。いつか来る薬師岳登山のための調査として、山小屋まで行こう。

帰りはまた折立登山口へ戻ろう。

今は繰り返して経験を蓄積していきたい。

帰りは折立登山口から富山駅まで戻ろう。

富山駅から東京へは 特急白山 か?いえ時代は新しくなり、北陸新幹線ができている!

 

最初調べていたツアーの日程の翌週のバスは空席があり往復を予約。行きの毎日あるぺん号を予約。太郎平小屋を予約。

 

予約は終わった。

後は準備して行くだけだ!

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つづく

 

【北アルプス】2015/07 燕岳に行きたい(6)

山小屋の一夜が明けた。

すっごくよく眠れて爽快だ。

日の出を見に、山小屋玄関を出てみた。

そろそろな雰囲気である。

「あ、 富士山!」

ここから富士山が見えるとは思わなかった。

富士山にはまだ行った事はないが、富士山が見えるというのは何故だか気持ちが上がる。不思議。

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たくさんの人たちが日の出を待っている。

小学校で「日の出前が1番寒い」と習ったが、その通り。私はフリースを着ていたが周りの人達は概ねダウンジャケットを着ていた。

私はその頃、人生においてダウンジャケットというものを持っていなかった。見た目が好きではないという街着として見ていたからだ。だが、どうやら山ではダウンジャケットが必要だという事を身をもって体感した。7月の山は寒い。
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日の出前、日の出と反対側に槍ヶ岳が見える。空も槍もほんのりピンク色に染まる。初めて見る美しい景色がまた一つ増えた。
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やがて日が昇る。
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日が昇ると一気に「夏山!」ぽい様相を呈し始めた。
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さあ、今日は下山。燕岳登ってないけど。

もっともっと経験を積んでから、スイスイと燕岳を登りたい。いえ、合戦尾根もスイスイ上がってこれるようになりたいと心に誓う。また、絶対来る!
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2日間良い天気だ。下山である。

ややコワゴワと合戦の頭を過ぎ合戦小屋まで降りる。今日はまだまだお腹いっぱい。ご飯おかわり食べたしね。

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ちょっと休んでいると、ガヤガヤとおしゃべりしながら3人のおじいさん達が颯爽と降りて来る。「すごい!あんな風にスイスイ降りたい!」と心に思った。そうして、間をあけて3人のおじいさん(スリーオジーサンズと命名)について行く事にした。目的は「どの様に足を動かしているのか」を参考にさせてもらいうためである。後をついて行くなんて、私、ストーカー??? 

スリーオジーサンズの一歩一歩どこにどのように足を着くかを確認しながら、私も真似して降りて行く。

「そんなところに着くの?でもめっちゃ歩きやすい!」やたら勉強になる。

遅れ気味だった私もだんだんスリーオジーサンズのスピードに合わせて降りられる様になってきた。合間合間のベンチ休憩を挟んでは、距離をあけながらついて行く。「なるほど!こうやっておりるのか!しかも楽ちん楽ちん!」感謝感謝である。

するとスリーオジーサンズの先頭の方が叫ぶ。「やばい。おれ、足、疲れた! 先頭変わってくれ!」

1番手が横によけ、2番手だった方が先頭に、3番手だった方が続く。1番手だった方が3番手の後ろに着くかと思ったが。。。。なんと、私の後ろについたのである。ひゃーと思いながら、4人並んでスイスイ降りて行く状況になってしまった。しかも、前方に見えた登山者が道を開けてくれるので、私はその列から外れるタイミングを逸してしまい、気がつけば中房温泉の登山口まで降りてきてしまっていた。

スリーオジーサンズとは全く面識ないし、下山後も言葉を交わすこともなかった。ちょうど路線バスの時間でもあったので、乗り込む。JR穂高駅行きである。

すみませんでした、スリーオジーサンズ。

でも、ありがとうございました、スリーオジーサンズ。感謝です。下りが少し上達しました。

 

JR穂高駅まで行って切符、松本からの特急券等購入し帰途に着く。

なんだか、すごくいいもの見たし、すごく楽しかったし、すごく勉強になったし、自分がどう頑張るべきかも見えてきたし、いい旅だったと思った。満足だった。

帰りの特急あずさにて信玄餅アイスを車内販売で買ってみた。美味しい。癖になりそう。

いろいろな思いをかみしめて、楽しかった2日間を思いうつらうつらして帰る。

 

さて、次に燕岳に来る日はあるだろうか?

そして、直近はどこに行こう?

メールが届く。スタイリッシュ女子からだ。

「もしかして燕岳行ったかなと思って」との事だった。彼女はエスパー?

 

そして下りでは普段使わない筋肉を使ったせいか、その後5日くらい筋肉痛に悩まされたのは当然といえば当然であった。

 

2015/07 燕岳 終了。(頂上行ってないけどね)

 

 

 

 

【北アルプス】2015/07 燕岳に行きたい(5)

山小屋 燕山荘。

歴史を感じさせる建物である。手入れが行き届いている。そうだよね、手入れは大事、なんでも。そこが1番難しいところ。だからしっかり手入れされ守られている空間に身を置くと、安堵感に包まれるような心地良さがある。

 

そして山小屋でやりたかった事。

・ケーキセットを食べたい!

・Tシャツを買いたい!

 

自分の寝場所に案内されると4人寝られるエリアで、端には2人組の女性がいた。1つ空けて反対の端の場所が私の場所である。少し話すと同じバスで移動してきた事がわかった。会話ついでに「いつもお二人で山に行かれるんですか」と聞いてみた。

「1年に一回かな。私達、親娘なんです。」

おおー、衝撃的!そして、なんとも羨ましい!

親娘で北アルプス!!!私もいつか娘と山小屋行ってみたい。そう考えるとワクワクした。

そしてその親娘は「ゆっくり3泊4日で上高地まで行くんです」と言う。本日、初北アルプスの自分。まだ山をあまり知らない自分にとって、ますます衝撃的な内容だった。

上高地まで歩けるんだ!

山は繋がっているんだ!

「縦走」とはこの事か!!!数分の会話でますます山の世界に引き込まれてしまった私であった。

夕食までの少しの時間、外を散策する事にした。

 

見たこともない世界が広がっていた。

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そこは、嘘みたいに美しく、空がやたら近かった。

槍ヶ岳の姿を初めて生で見た。とんがってる。

燕岳に一歩一歩近づく。

パッと見て「岩っぽくて行けない。」。

岩が怖い私はひるんでしまい、行く事が出来ない。周りはるんるんと燕岳に向かう人、燕岳から帰ってくる人で賑わっている。

だが私は怖くて足が進まないのである。

斜面をトラバースする道ですら、見たこともないくらい深い谷へ落ちている方向を見ると足がすくんだ。

「自分はまだまだ努力しなければならない事がいっぱいある」そう肌でしっかり感じた。

そして私は登頂せずに、山小屋に戻った。

ダメな自分を反省しつつ、布団の上に横になってゴロゴロした。

やがて夕食の時間。チケットを持って食堂に行く。席に案内された。グループの方達の横の席だった。

夕食はハンバーグに煮魚。デザートまでついていて驚愕!しかも食べたハンバーグ内にはトロトロチーズが入ってる!。

グループ内の方々がいろいろ話かけてくれ、二言三言言葉を交わす。と、想像しない言葉が返ってきた。

「ひとりで来たんだ。すごいね。頑張ったね。」

何十年と誰かに「頑張ったね」なんて言葉をかけられてこなかった。お世辞だとしても、私には暖かく響く言葉だった。

夕食後の日没を見た。

綺麗だった。

 

まだまだ、体力なし、技術なし、勇気なしなダメダメ未熟登山者である自分。でも今日から何かが始まるような爽快な気持ち良さは、かけがえのないものだった。

 

夜はとても良く眠れた。

 

続く

 

 

 

【北アルプス】2015/07 燕岳に行きたい(4)

(4)にして、やっと登山口スタートとなった。

斜面をジグザグに上がっていく道が見える。

土と石、木の根っこなどいろいろ有りだ。

北アルプス」というだけで緊張が増し身体がカチコチになる。

もし山小屋まで上がれなかったら、どうなるの?死んじゃうの?

そんな不安を背負いながら。

登りが苦手だ。やはり息苦しくなってゼーゼーしてしまう。今日は絶対山小屋まで上がらなければ死んじゃう!だから、疲れきってはいけない。ゆっくり少しずつ、体力温存しながら進むんだ!そう言い聞かせながら進む。

登り坂がひと段落し、少し平らな道を進む。

人の話し声が聞こえる。

ベンチが見えた。第1ベンチ。写真では見たことがあったが、初めて本物を見た。

ここまで来て、少し緊張がほぐれた。

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少し休憩を挟んで、歩き始める。

次は第2ベンチを目標に。

 

そして、あってはいけない事が起こった。考えていなかったのだから、当然に起こる事象である。

 

「お腹がすいた。だが、行動食は無い。」

 

夜行バスの後は朝ごはん食べられないだろうとか、7月は腐るから何も持っていけないとか、屁理屈を考えていた何日か前の自分を叱りつけたい衝動に駆られた。

それよりも、自分自身「行動食の本当の大切さ」を気づいていないまま今まで山を歩いていた事に愕然とした。

行動食という言葉を知らないわけじゃなかった、幾度となく雑誌でも読んだりしていた。しかし、なぜ行動食かの理解をしていなかったのだ。「山をなめてる」とはこの事か。

自分のふがいなさを強烈に反省しながら、空腹とともに第2ベンチ到着。

「山小屋まで上がれるのか?」再び不安が顔を出す。第2ベンチを出るとまた登り坂が急になったような気分になる。

牛歩より遅い歩みでゆるゆる進む。登山道は確かに整備されているが、道幅は狭い所も多い。当然のようにすれ違いが発生するのだが、「登り優先」という事で道を譲られることが多い。お腹が空いてヒーヒー。息が切れてゼーゼー。

きっと今の私はゾンビにような見た目であろう。

第3ベンチに到着。私は思っていた。

「合戦小屋に着いたら名物のスイカを食べよう」

合戦小屋の前にまだ富士見ベンチがある。先は長い。ただ危険な道が無いのが救いだった。

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苦しみつつ樹林帯の道を進んでいく。いつしか、花崗岩が風化した後の赤茶けた色の道も見られるようになった。そして木々の間から、「これが北アルプスの山並み?」と思える山々が見え始めた。美しい。写真で見たことがあるような気がしたが、実物の迫力に圧倒された。

まだまだ樹林帯は続く。空腹との戦い。

でも負けたくない。

合戦小屋が近いという表示が目にとまる。
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だがこの10分がとてつもなく大変だった。

何分かかったかわからない。空腹で卒倒しそうになりながら進んでいくと木々の間から屋根が見えた。

助かった。。。。。
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ここで私は更なる失敗をするのだ。

信州だから「蕎麦が食べたい」と思ってしまった。ところが小屋のメニューはうどんだった。散々空腹で苦労してきたはずなのに、ここでうどんを食べずに「スイカを食べよう」と思った事である。スイカで足りなかったらうどんも、、ぐらいに思っていた。

名物のスイカを楽しみに上がってきた事もある。

大きなスイカに塩を振って食べる。お腹に沁みる美味しさである。ジューシーでもありスイカでお腹がいっぱいになった。

元気が出た。しばし休憩である。飛んできたゴマダラカミキリが顔にあたり、スイカの横に落ちたなど、なんとなく微笑ましい出来事もあったりした。隣席の人がカミキリを持っていった。のどかな時間が過ぎ、このまま進む事にした。

ここからまたしばらくジグザグと登っていく。低い木が多くなってくる。

合戦小屋を出て15分もしないうちに、またお腹が空いてきた。スイカだけじゃダメなんだ!うどんのような炭水化物をお腹に入れないと歩けないんだ!

こんな大事な事に今更ながら初めて気付く。

空腹との戦い第2ラウンドに突入。ただでさえ、体力に多大な不安を抱えているのに。

合戦の頭というベンチの場所についた。ここから一気に視界が開ける。

北アルプスの稜線が見える。そして視線が山小屋の存在を捉えた。あそこだ!あそこに行くんだ!

だが空腹の魔の手が私の足を止める。数歩歩いては立ち止まるを繰り返す。やがて立ち止まるが座り込むに変わってきた。一歩が出ない。

シャリバテ。

道の脇に雪が残っていた。夏でも雪がある。とんでもない所にきたのかも。

まだまだ登ったり、傾斜が緩くなったりを繰り返す。朦朧としてきた。

幅の広い斜面が立ちはだかった。すると上からゴミ袋を背負った数人の男性達が烏天狗のごとくすごいスピードで降りてきて、またまもなく何も背負っていない状態でものすごい勢いで登っていった。後から思えば山小屋の方たちがゴミを合戦小屋まで降ろしにいったのだろう。素晴らしい身のこなしに、何十年ぶりかに口あんぐり状態で驚いた。少し元気が出る。

朦朧としながらゾンビのように進むとやがてテント場に出た。

あとこの階段を登ったら稜線だ。

一歩一歩。

登り切った時に目の前に北アルプスの山々がいっせいに並んでいるのが見えた。

イケメンな山々に囲まれて、一気に北アルプスファンになった。

右を見たら、美しい燕岳。

左からを見たら山小屋。

空腹の苦しみと達成感と美しい風景をこの目で見た感動がごちゃまぜになった不思議な気分。

 

とりあえず山小屋へチェックイン。

雲取山荘以来の二度目の山小屋は燕山荘。

受付にはたくさんの山小屋の方たち。

WEB予約だと、端末に電話番号を入力すると宿泊カード印字。すごいハイテク。

疲れ切って頭がよく回らない。

お支払いを済ませて、食事の時間やら館内の説明を受け、靴を脱いで上がる。

すかさず周りに立っている若い笑顔の従業員達がスリッパを「どうぞ」とにっこり出してくる。

やばい、ここは天国か?

もしかして私は既に途中で死んじゃっていたのではないか、と、疑いたいくらいだ。

 

今日の反省は今日に。

行動食大事である。

食べないと歩けない初めての経験。下界だと「お腹が空いても我慢する」が普通な感じだったが、山は違う。人間も生物の一つである。下界ではあまり意識しない事を実感した。気持ちでどうのこうのではなく、生物的に動いていくにはどうするかを考えなければならない。

苦しく、ちょっと苦い反省だらけの1日だったが、非常に満足できた日でもあり心は喜びに満ちた。

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つづく