一歩一歩を大切に

山は人生を変えるのか?を知りたくて山に行く!

【北アルプス】2015/09 北アルプス初級者が頑張って行く立山三山(2) 大いなる反省

(2)-1 コース

室堂から立山三山グルっと一周の山行である。

1日目:室堂ー一の越ー雄山ー大汝山ー富士の折立ー真砂岳ー内蔵助山荘(泊)

2日目:内蔵助山荘ー別山ー劔午前小舎ー雷鳥坂ー雷鳥沢ーみくりが池ー室堂バスターミナル

 

室堂に到着した時、立山の美しさに喜び、浮かれていたのだ。

立山黒部アルペンルートを利用したので室堂着は9:00である。自分の体力の無さも忘れて私は唐突にコースを変えた。浄土山から行ってみようと。

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死にそう、とか、怪我したとか肉体的な痛みは無かったものの、心がチクリと痛くなる失敗の経験をした。スケジュールの大切さを身をもって山から教わったのが今回の山行である。

 

(2)-2 1日目 室堂ー室堂山ー浄土山

スタートは9:15になっていた。

私はまず浄土山に向かう。

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秋めく山々にひたすら浮かれる私。

体力の無さもすっかり忘れて。

浄土山に行くためににまずは室堂山の展望台方面へ進む。少し高度が上がるたびに室堂の景色に驚き、そして浮かれる、の繰り返しになる。

次第に高度を上げて行く。「素晴らしい」としか言いようのない風景に圧倒され続け、バカな私は浮かれてホイホイである。

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あ〜、秋に来れて良かった〜!

9月中旬の室堂はすっかり秋だった。下の世界はまだ夏なのに。
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空とか雲海とか雪とか紅葉とか、人生長く生きてきましたが見たこともないコラボレーションにハッとする。

私の目は今まで何を見てきたのか?

本当に見るべきものを私はまだ見ていないのではないか?
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室堂山の展望台から少し戻り浄土山へ。

岩がどんどん増えて行く。岩っぽい登山道はもしかして「初」!

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浄土山の頂上到着。向かいに雄山が見える。

今日はあの雄山まで行ってその先の内蔵助山荘に泊まるのだ!幸せだ!と素直に思った。

だが、この時点で時間は12時になろうとしていた。

そして体力もない。

このヤバさに気付き始めた私は早々に一の越へ降りて行く。

 

(2)-3 1日目 一の越ー雄山ー大汝山

一の越で13時である。遅い。数年後の私なら13時から一の越スタートの雄山登山なんて絶対しないし計画も立てないだろう。

時は9月である。日暮れも早いこの時期だ。

 

雄山へ。ここで体力の無さ炸裂である。身体が前に進まない。身体が上に上がっていかない。

ヒーヒーゼーゼー。うるさいくらいにヒーヒーゼーゼーを繰り返す。

雄山に無事についたものの座り込んで息を鎮める始末である。

神主さんがそばによってきた。たしか「祈祷はされますか?」みたいな内容だった。私はヒーヒー言ってるだけで言葉を発する事が出来なかった。神主さんはそっと離れて行った。ヤバいです。私、この時、相当変な人だったと思います。

雄山で既に15時である。

本来なら山小屋についていなければならない時間である。

雄山から更に進む。そうだ山小屋に時間の遅れを連絡しよう!自分のauでは圏外が多かった経験を基に社用携帯ドコモ持参した。

山小屋に無事連絡出来た。ああ、きっと怒られちゃうな。それよりも私の今の状況の方がヤバい。疲労と日没との戦いがスタートである。

大汝小屋が見えた。16時。

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疲労困憊である。2人の登山者と小屋番さんが小屋前で談笑している所に割り込んでしまった。

「この先の山荘を予約してるんですけど、とても疲れてしまって。。。」と言い訳のような、自分の不甲斐なさのぼやきも言いたいし、私のひっ迫した状況を知って欲しいような、などなど複雑な気持ちだった。

大汝小屋の小屋番さんは「ここに泊まって行ってもいいよー」と優しい言葉をかけてくれたが、私は先に進む事にした。おそらく小屋番さんの判断の方が正しいと後から感じる。

大汝小屋内に「菫小屋」看板があったのが和めた。

 

(2)-4 1日目 富士の折立ー真砂岳ー内蔵助山荘

富士の折立から急な下り坂になる。岩っぽい道も随分慣れてきた。怖くない。

怖いのは日没だ。

もう誰も歩いていない。1人旅だけど、周りにも誰もいない怖さを感じる。

今日最後の真砂岳への上り。ひたすらきつい。

気が遠くなりそうだった。

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真砂岳の頂上には、1人青年が座っていた。

「どこ行くの?」と聞かれる。

「内蔵助山荘」

「こっちからすぐだよ」と指さしてもらった。

「ありがとう!」

私は進む。

 

程なく内蔵助山荘に到着。日没前で良かったと思うと足が震え出した。

私は怒られる事もなくチェックインし、山荘の説明を受け、夕食をいただいた。

もう夕食の時間は終わっていた。私は1人夕食をいただいた。

自分の体力の無さ、計画力の無さに対する不甲斐なさと自分に対する怒りで涙がポロポロ溢れてしまった。

涙と一緒に食べたアジフライは美味しかった。

 

続く