一歩一歩を大切に

山は人生を変えるのか?を知りたくて山に行く!

【北アルプス】2015/08 折立登山口に行ってみたい(2)

今回はどこかの山頂に行くということではなく、折立登山口から登ってみたいという個人的欲望だった。やはり登山=登頂なのだろうか?

登頂はその現場でかなり嬉しい出来事になる。だが、帰ってきてあとあと思い出すのは何故か途中で見た風景だったり花だったり、あるいは石だったり地形だったりする。

 

毎日あるぺん号 室堂行き に乗車。

2度目の毎日あるぺん号。ぐっすり眠れた。

明け方目を覚ますと高速道路の右手側に海が見えていた。

日本海!随分遠くまできた。

こんな遠出は久し振りだ。

今まで子育てやら、ネコの面倒やら、仕事やらを口実に出歩く事はしなかった。出不精だった。出歩きたくない、旅行も行きたくない 派だった。非日常なイベントが大嫌いだった。それが今では非日常を求めている。

山のおかげで、「出かけよう」という意思を持ち、それを行動に移せるようになった。ああ、私、少し変わってきたかも、と感じるのがやや嬉しい。

あるぺん号が右折するとまもなく「有峰口です」というお知らせがアナウンスされた。

下車したのは8人くらいだろうか。

バスを下りるとタクシーが二台来ていた。予約していたと思われる2人がさっと乗って出て行った。そして別の2人組もタクシー予約のようで、突然「タクシー乗って行きませんか?」と言われる。折立に行くにはこんな手があったのか!と思いつつ、バスも予約してチケットも購入済みで結構なお値段だったのと、そこまで急ぐ必要もなかったので、「バス予約しちゃったので」とお断りしてしまった。だが、本心は「タクシーで行きたい」であった。

その理由は、次のバスまで2時間以上待たなければならないからだ。

注:2016年は待ち時間が1時間程度短縮され、2017年以降はなんと東京から直通バスが出るようになった!

 

有峰口駅前バス停。

コンビニなし。

ベンチなし。いったいどうしたらよいのか?

駅はあるのか?

私と同じく次のバス待ちの人達がある方向へ歩いて行く。ついて行く。有峰口駅だ!

無人駅の古びたレトロな駅舎の待合室で時間を過ごす事になった。

トイレあり。古くてちょっと怖い。

注:2018年時点ではトイレのみ綺麗になっていた!

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この時はまだお天気良し。

 

やがてバスの時間が近くなる。

有峰口駅からバス停までは数分かかるため、ちょっと早めに駅を後にする。

バス停。雨が降ってきた!

バス乗車。既にたくさんの人が乗っている。

予約しておいてよかった。

そこから折立まで小1時間バスにゆられる。

折立到着。雨。

バスから降りて登山客は皆折立ヒュッテ内に走り込む。私もついていった。

扉を開けた場所が休憩スペース。そこでみんなガサガサと雨具を取り出して着込み始める。私もガサガサ着る。

雨か〜。ちょっと萎える。

今までも雨でも登山してきたから、それほどの辟易感はない。やっぱり今までの一つ一つが少しずつ経験になってきてるかなと思えた。

 

出発。

すぐのところに愛知大の遭難慰霊碑がある。

若い人の命を思うといたたまれない。最後の1人が見つかるまで親御さん達は探し続けたそうだ。私も今は大学生の親。痛いほどわかる。

安全を祈願して先に進む。

雨具の登山は暑い。

我慢出来ないほど暑い。

 

ちょうどあられちゃんのところにつき、休憩。そして雨具を脱ぎ軽いジャケットに着替えた。

雨も僅かな霧雨程度になっていた。f:id:myownlifetamako:20190703064218j:image

樹林帯の中の道は結構急だったりと歩くのに苦難する。相変わらずヒーヒー言いながら、立ち休憩をしつつ先へ進む。後ろから爽やかなテント装備女子が上がってきた。「こんにちはー。晴れるといいですねー。」と爽やかに声をかけてくれ、あっという間に見えなくなった。

ああーあんな風に爽やかに登りたいよ、私も。

やがてベンチ。誰もいない。

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先へ急ごう。

この先一回樹林帯を抜けるとどうやら森林限界を超えるようで、高木が無い草原を行く道が続く。

雨ほぼなし。自分より低い位置からもくもくと雲が湧き上がってくる。こんなに近くで雲を見られるなんて。嬉しくてニコっとしてしまう。
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なんとなく紅葉しているように見える草。

8月末はもう山の秋だろうか。
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ヒーヒーである。石畳の道ってなんだか苦手かも。けれど、見た事も無い風景の広がる道を歩いて行ける事が楽しい。高度はだんだん上がってくる。

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ハイマツ地帯に突入。あたりの白さが濃くなってくる。風も強くなってきた。ハイマツの枝がわさわさ揺れている。
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ライチョウいるかな?まったく気配なし。

黒い大きめの鳥が目の前をかすめるように飛び去った。驚いたが、しかと見た。

ホシガラスだ!
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やがてまたベンチ。行動食をいっぱい食べる。

鱒の寿司を食べている人を見かけた事もあり、鱒の寿司について考える。あれはやはり保存食だから山に向いているんじゃないかなと。
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太郎平まであと2km。先に進もう。

あたりの白さが増してくる。
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どこまで歩けばいいのだろう?

太郎平小屋はまだかな?そうそう、このコースで登山届を出す場所が太郎平小屋だ。

太郎平小屋に到着しないと登山届を出せないという。何気に過酷だ。
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時々人が見えたりする。が、白いガスに包まれてまた見えなくなる。私が誰かに追いつくほど早くは歩けないのに、前方に人がいる。本当に人かな?とか不思議に思ったりした。
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さらに白いガスがもっと濃くなり、前後左右視界が効かない。白い世界をとぼとぼ歩く。

もちろん周りに人の気配なし。

突然、斜め右前方の白いガスの中で黒っぽい壁がにゅ〜っと浮き上がってきた。

太郎平小屋に到着したのだ。

もうちょっと離れた場所に建っていたら気付かなかったかも!

ああ、よかった。

 

続く