一歩一歩を大切に

山は人生を変えるのか?を知りたくて山に行く!

【北アルプス】2015/07 燕岳に行きたい(5)

山小屋 燕山荘。

歴史を感じさせる建物である。手入れが行き届いている。そうだよね、手入れは大事、なんでも。そこが1番難しいところ。だからしっかり手入れされ守られている空間に身を置くと、安堵感に包まれるような心地良さがある。

 

そして山小屋でやりたかった事。

・ケーキセットを食べたい!

・Tシャツを買いたい!

 

自分の寝場所に案内されると4人寝られるエリアで、端には2人組の女性がいた。1つ空けて反対の端の場所が私の場所である。少し話すと同じバスで移動してきた事がわかった。会話ついでに「いつもお二人で山に行かれるんですか」と聞いてみた。

「1年に一回かな。私達、親娘なんです。」

おおー、衝撃的!そして、なんとも羨ましい!

親娘で北アルプス!!!私もいつか娘と山小屋行ってみたい。そう考えるとワクワクした。

そしてその親娘は「ゆっくり3泊4日で上高地まで行くんです」と言う。本日、初北アルプスの自分。まだ山をあまり知らない自分にとって、ますます衝撃的な内容だった。

上高地まで歩けるんだ!

山は繋がっているんだ!

「縦走」とはこの事か!!!数分の会話でますます山の世界に引き込まれてしまった私であった。

夕食までの少しの時間、外を散策する事にした。

 

見たこともない世界が広がっていた。

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そこは、嘘みたいに美しく、空がやたら近かった。

槍ヶ岳の姿を初めて生で見た。とんがってる。

燕岳に一歩一歩近づく。

パッと見て「岩っぽくて行けない。」。

岩が怖い私はひるんでしまい、行く事が出来ない。周りはるんるんと燕岳に向かう人、燕岳から帰ってくる人で賑わっている。

だが私は怖くて足が進まないのである。

斜面をトラバースする道ですら、見たこともないくらい深い谷へ落ちている方向を見ると足がすくんだ。

「自分はまだまだ努力しなければならない事がいっぱいある」そう肌でしっかり感じた。

そして私は登頂せずに、山小屋に戻った。

ダメな自分を反省しつつ、布団の上に横になってゴロゴロした。

やがて夕食の時間。チケットを持って食堂に行く。席に案内された。グループの方達の横の席だった。

夕食はハンバーグに煮魚。デザートまでついていて驚愕!しかも食べたハンバーグ内にはトロトロチーズが入ってる!。

グループ内の方々がいろいろ話かけてくれ、二言三言言葉を交わす。と、想像しない言葉が返ってきた。

「ひとりで来たんだ。すごいね。頑張ったね。」

何十年と誰かに「頑張ったね」なんて言葉をかけられてこなかった。お世辞だとしても、私には暖かく響く言葉だった。

夕食後の日没を見た。

綺麗だった。

 

まだまだ、体力なし、技術なし、勇気なしなダメダメ未熟登山者である自分。でも今日から何かが始まるような爽快な気持ち良さは、かけがえのないものだった。

 

夜はとても良く眠れた。

 

続く